--- 診療案内 ---

診療科目

  • 小児科
  • 内科

院内迅速検査の種類

ウィルス等の種類
検出時間
診断名等
院内迅速検査は
アデノウィルス
15分
咽頭結膜熱 プール熱
検査が可能
インフルエンザウィルス
17分
インフルエンザ感染症A・B型
検査が可能
溶血性連鎖球菌
10分
溶連菌感染症 猩紅熱
検査が可能
RSウィルス


検査が可能(保険外)

検査機関への依頼となりますがその他ウィルスも検査が可能です。

熱のでるとき

熱のでるとき

子供が熱を出す原因の多くは、感染症です。温度により微熱、軽熱、高熱と区別されます。しかし、症状の重さを現すものではありません。40度近いからといって決してあわてることは、ありません。

夏など外気温が高くなる季節には、それだけで子供たちは、体温が上がってしまうことがあります。

また、水分不足や心因性のストレス、アレルギー性の疾患にかかっていたり、予防接種の後でも発熱をすることがあります。

その他にも膠原病や白血病など考えたらきりがありません。

ただ、熱が出たらすぐ悪者だやっつけろと思いがちですがよい影響もあります。
白血球の働きをたかめたりウィルスの増殖を停止させたり、つまり、体の中の細菌除去作用が亢進されているときにも熱は大事な役目を果たしています。
ともあれ体力の消耗や熱性痙攣(けいれん)、もともとの疾病の軽快のためには、あわてずに上手な熱の対処をしましょう。

発熱のとき冷やすのは?おでこ??看護師さんに聞いてください。

虫さされについて

いわゆる虫咬性皮膚炎とか昆虫刺症というものを一般的に言ったものです。蚊、虱、蚤、蜂、蚋(か、しらみ、のみ、はち、ぶよ)などなど見るだけで痛痒くなりそうな昆虫たちの仕業ですが他にもダニ類、クモ類によるものや毛虫の体毛など接触したために皮膚に炎症を起こすものもあります。その炎症の度合いは、同じ原因でも人それぞれで軽い発疹でとどまる人からかなり、重いアレルギー反応を誘引し全身症状に至る人もいます。

もし刺されたりかぶれたりしたときは

  1. 掻き壊さないこと
  2. 抗ヒスタミン剤軟膏をぬる。―(かゆみ止め)
  3. ステロイド剤軟膏をぬる。―(腫脹や強い痒み・痛みのあるとき)
  4. 内服薬を服用する。

まず、予防が大事で虫よけの薬などをうまく利用することや肌の露出部分を少なくすることが大切です。
特に小学校低学年までの(特に5~7歳が多い)子は、アレルギー反応が強く出てしまう子やかきむしってとびひのように膿んでしまう子が多いようです。
今の時期は、虫たちの活動も活発になりこの症状の外来患者さんも増えてきています。中には、広範囲に発疹がありウィルス性のものでは?と勘違いする人もいます。
早めの対策や治療が大事でしょう。

脱水症について

何で点滴するの?

下痢や嘔吐・激しい発汗などが続くと急速に身体から水分が失われます。もし、そのまま水分を摂らないでいると身体は、水分が不足しナトリウムやクロールなどの電解質のバランスが狂ってきます。これが脱水症です。

特に子供の身体は、体重の65~70%が水分ですからおとなより脱水症になりやすいのです。

症状としては皮膚や口唇が渇いてきて元気が無くなり、目がくぼんできたりします。さらに症状が進むと意識障害や痙攣(けいれん)を起こす場合もあります。

そこで、速やかに水分を補給しなければならないのですが脱水の原因が嘔吐や下痢などで著しく水分が失われていて経口での水分補給では、難しい場合があります。

そういう状態の時、お話をして失われた水分や電解質の補給を点滴で補うことにしています。

主に補液(電解質液)を点滴して様子を見ますが症状によりビタミン剤や発熱などを伴い炎症所見があるときは抗生物質を入れることもあります。

ほとんどの子は400~700ccの量でまた大人は500~1200ccの量の点滴で顕著な改善が見られます。

咽頭結膜熱について(プール熱)

1.起因するウィルスについて

1.起因するウィルスについて

風邪様症状を起こすウィルスは数多く知られていますが特に高熱・目の充血・喉の痛みを主な所見とするアデノウィルスによる疾患を『咽頭結膜熱(プール熱)』と呼びます。アデノウィルス感染については聞きなれない言葉と思いますが子どもは良く罹患するウィルスです。またアデノウィルスは50種類近くの血清型が在りますが、特に3型に拠る『咽頭結膜熱(プール熱)』が知られています。他にも1・4・7・14型も『咽頭結膜熱(プール熱)』を発症します。

2.感染経路について

アデノウィルス感染が大きな流行を見せるのは大抵、夏の暑い時期が多いのですがアデノウィルス自体は通年認められています。何故、夏に発症が多いのかは様々な原因が考えられますが理由の特定には至っていません。しかし、ウィルスの活動が活発になることや患者からの感染は、飛沫感染・経結膜や経口感染が主であること、また幼児や学童に罹患者が多いことなどから、水泳学習や林間学校など集団活動が増える時期であることから感染経路の拡大が要因ではないかと考えられます。

3.症状について

まずは発熱から始まり咽頭の発赤や扁桃腺炎などが見られます。そして3~5日間39~40℃の高熱が続き結膜炎(白目の充血)などの症状が見られます。このような所見(参考1)から当該疾患を診断します。また、上記の症状が全て認められない場合でもアデノウィルス感染が疑われるときには迅速検査キットで咽頭ぬぐい液などからウィルス抗原を検出し、診断の確定をします。初期の症状は一般的な風邪様症状で嘔吐や下痢を伴う胃腸炎や尿路感染症罹患者もいます。診断の過程では溶連菌感染症、EBウィルス(伝染性単核球症)、川崎病などと鑑別診断します。アデノウィルス感染はインフルエンザウィルス感染と同様に全身移行(ウィルス血症)が認められ時に重い全身症状をもたらすことがあります。特にアデノウィルス7型の場合は乳幼児では急性肺炎や急性肝炎・脳炎・などを併発し重症に成りやすいのが特徴です。まれに髄膜炎、ウィルス関連血球貧食症候群(VAHS)も引き起こす場合もあります。

参考1

感染源患者からの飛沫・糞便
潜伏期間
約5~7日間
発熱
約3~7日間つづく
諸症状
約2週間以内
眼所見
結膜充血(一方から発赤やがて両眼へ)
目脂(目ヤニ)

その他
後頚部リンパ節腫脹咽頭発赤
嘔吐・下痢・食欲不振倦怠感 など

4.治療

残念ながら抗ウィルス剤はヘルペスウィルス感染及びインフルエンザウィルス感染などの限られた疾患にしか有りません。アデノウィルスにはまだそれは無いので対症療法(吐き気止めや解熱鎮痛剤・点眼薬などの服用)が主なものとなります。しかし肺炎や嘔吐や発熱などによる脱水など重篤な症状があるときは抗生剤や電解質液などの点滴をし、様子を見ます。慎重な全身管理が必要となります。

5.対策

感染しないための対策の第一は予防です。感染者に近づかない(注1)もちろん、流行の兆しが見えたらうがいや手洗いを励行することは大事です。各家庭ではお子さんやご家族が感染したら外出は避け病気の勢いが治まるまでは静養させましょう。(注1)〔学校保健法第2種伝染病に指定されており主要症状が消退後2日間は登校・登園停止です。〕咽頭結膜熱は新生児からお年寄りまで誰でも罹る可能性がありますが生後6ヶ月から2歳の間・学童年齢に達した子どもにかかる場合が多いようです。これは米国ではサマーキャンプでの流行が多く報告されていますが日本では別名にプール熱とあるようにプールでの水泳学習を介しての流行が多くみられました。感染から回避するためには水泳前後のシャワーやうがい、目を洗うことはもちろんですがタオルやプール自体の衛生管理もきちんとすることが大事となってきます。しかし最近は学校や幼稚園でプールを介さない集団生活だけで感染するケースも多くみられます。

6.おわりに

最近の傾向としてウィルスによる固有の症状に変化が出てきたように感じます。全く目の充血の所見は無いが他の所見がアデノウィルスによる症状と酷似しているため迅速検査をし、診断の確定に至る場合があります。また、アデノウィルスに限らず季節性の有ったウィルスの流行期の変動も以前より顕著ではなくなりました。その時期には通常流行っていないようなウィルスに罹患する子どもが年間を通じて見られますから小児科医は思わぬ時期にやって来るウィルス来襲を常に念頭に置き診断しなければなりません。インフルエンザウィルスも今シーズンは数年ぶりに型を変えてきました。異常気象や住環境の変化、人そのものの免疫力の低下など様々な要因が考えられます。感染症に罹らないためには予防対策は重要ですがワクチンや抗ウィルス(菌)剤なども無い感染症に罹ってしまったら、現在では身体管理や対症療法しかありません。しかし重症化させないためにも簡易検査キット(参考2)などの普及でより確実に原因ウィルスの特定をしてその病気に沿った早期治療が可能となってきました。

参考2

院内で検査可能なウィルス等
検出時間
アデノウィルス15分
インフルエンザウィルス
17分
ロタウィルス
06分
溶血性連鎖球菌
10分
マイコプラズマIgM抗体
15分

結核について

結核について

結核といえば不治の病ということばを連想する人も多いでしょう。ワックスマンが1944年にカビから作ったストレプトマイシンが世に出るまでは実際、結核は、長期入院を強いられしかも患者の多くが命を落とす怖い病でした。

しかし、ストレプトマイシンを初めとし有効な薬〔現在は10種類ぐらいある〕の登場で一転して結核は治る病に変わり、いつしか人々の関心も薄れてしまったのです。そして結核の専門医も少なくなり、臨床医の中には結核の認識すら困難なものもでてきてしまいました。それほど結核菌は人間の前から一度は姿を消したかにみえたのですが、ここにきていま40年ぶりに結核菌感染者の増加がみられるのです。感染症で怖いのは、集団感染や耐性菌ですが人の集まるところで働く、学校の教職員、医師、保健関係者、接客業の人などは注意が必要です。

1.結核について

結核は結核菌の感染によっておこります。結核菌を排菌している患者さんが咳をしたときに飛散した結核菌を未感染者が吸入して感染します。菌が肺に入り、増殖しだすと身体免疫機能が活動をはじめます。(このときツベルクリン反応は発赤し陽性を示す。=感染)菌は姿を変え、封じ込められ肺の中で眠りつづけます。そして感染者の免疫機能は結核菌に対して働きつづけるため(監督機能)新たに外部から侵入してきた結核菌をも撃退できるのです。しかしその免疫機能が低下したときに発病してしまうのです。

2.症状と感染

最初のうちは風邪と同じ症状があります。ただ、いつまでも咳や痰がとまらず微熱が続きます。本人も風邪だと思っていますし、医師も結核だとは頭に浮かびにくく、すぐに疑うことができません。やがて倦怠感・寝汗をかく・胸痛などがおこりさらに進行し結核菌によって、破壊された肺組織が気管から排出されて喀血が起こります。

それから結核というと肺の病気と思われがちですが肺外結核といって血流に乗った結核菌が様様な臓器にとりつき、悪さをします。髄膜(結核性髄膜炎)・首のリンパ節(るいれき)脊椎(脊椎カリエス)などの骨や腎臓・膀胱・腹膜・生殖器・眼など全身に病巣を作ります。

やがて肺組織は壊され(レントゲンに写る影の部分)それが呼吸不全からやがて他臓器の機能不全となっていくのです。

さて、発症する人としない人と個人差があるのはどんな違いからでしょうか。一つには体質も関係していますがそのときの身体の状態も非常に影響があります。睡眠不足が続いたり、無理なダイエットやインスタント食品の利用で十分な食事をとらず偏った食生活を送っていたり、また、老化・糖尿病・AIDS・透析・大手術後など体力的に弱っているときは非常に危険です。つまり、一度免疫を持った人(既感染者)は生涯安全かといいますと前述の監督機能(免疫)が弱まり、眠っていた結核菌が好機到来とばかりに活動を始めるのです。〔再燃〕

また、免疫機能が衰えたときに新たに結核菌が入り込み再感染することもあります。お年よりの施設などで見られる集団感染はこうした再燃や再感染によるものが多いとされています。(すでに免疫機能が失われている可能性もある。)

乳幼児などのまったく免疫を持たない子どもたちの多くは家族などの成人排菌者から感染することが多いようです。要注意が必要です。

3.予防接種と検査と治療

乳幼児など結核患者が出たときはすぐにその家族全員にツベルクリン反応をします。これは身近なところに感染者がいる場合が多いので原因となった成人排菌者を発見し結核の蔓延を防ぐためです。

また、予防接種で定期接種となっているツベルクリン反応(以下ツ反と書く)は生後できるだけ早く受けるのが好ましく生後3カ月から受けられることになっています。また小中学校の一年生時に再接種をします。

ツ反接種48時間後に判定をしますが発赤径9mm以下のときにはBCG接種を行います。BCGは活性ワクチンで毒力の弱い結核菌を植え付けて(子どもたちはハンコ注射といっていますが)人為的に抗原抗体反応を起こして免疫をつけるものです。BCGは結核感染や結核感染に続いて起きる粟粒結核(血流により全身に結核菌が飛散する)や致命的な結核性髄膜炎に対して高い有効性が認められています。この結核菌による髄膜炎は現在の医療をもってしても15%以上が死亡したり30%に中枢神経系の後遺症が現れるものです。

発赤径10~29mmの場合は再ツ反検査、発赤径30mm以上はの場合は胸部レントゲン検査を施行し以上があれば結核予防法により保健所に登録をし治療を行います。

発赤径30mm以上でもレントゲン上以上所見が見られない場合は初感染結核として抗結核菌薬の6~9ヶ月間にわたる予防投与を行います。しかしこれはおもに子どもや若者が対象になります。そのほか発病した人には確実に飲んでもらうため患者さんには手渡さないで、毎日外来に通ってもらい、職員の目の前でのませる方式(DOTS)などにより1剤では耐性結核菌を生む恐れがあるため2種以上の薬をあわせた強い薬の投与をやはり6ヶ月間行います。これらを短期化学療法といい昔の療養所での長期間の治療とはイメージがだいぶ異なりました。

結核菌保菌者の判定に用いる検査はほかに、患者の喀痰を直接調べる塗抹検査や培養検査、遺伝子レべルで短時間に高精度で結核菌の有無を調べられる核酸同定法などがあります。

4.年齢別留意点として

乳幼児・小中学生

幼児期にBCG接種をしていれば、小学校時代、免疫は持続しているといわれています。しかし接種が不充分である場合も考えられるので小中学校の1.2年生を対象に定期接種が行われます。

高校生頃(思春期)

この時期は意外に結核菌に狙われやすく発症後の進行も早いのですが性差が認められ特に女子に多いのも特徴です。したがって学校検診ではレントゲンが重要になってきます。

青年期頃

思春期に引き続き結核菌に狙われやすい年代です。また思春期とは逆に男子に発症者が多くなってきます。活動的な年代のため若さにまかせ不規則な生活や無理な就労などをしたり親元を離れ、食生活に偏りが出たりといろいろな悪い条件(結核菌にとっては良い条件)が出てきます。

壮年期頃

強い免疫があるわけではないので(本物の結核菌に感染していないため)安心はできませんし、生活習慣病なども出てきますので免疫力の低下に注意したいころです。

高齢者

要注意の年代です。前述のとおり既感染者も多いので結核の再燃や加齢による免疫力の低下で再感染者も増え特に重症化や集団感染になりやすいのが特徴です。

5.おわりに

結核に限らず感染症は適切な治療や対処、そして何よりも予防が肝心ですが結核問題の特異な点は40年ぶりの流行ということです。医療現場ではある期間まったくと言っていいほど関心の薄れた時期があったため結核専門医師の高齢化や後継者不足・認識不足などを招いてしまいました。また、社会的にもツ反やBCGの接種はするものの結核自体が身近なものではなくなってしまったため、感染したときの重大さに気づかず重症化や集団感染に至ってしまいました。また、自営業の人や職場での検診が受けられないなど検診の機会が少ないのも原因の一つと思われます。今後は啓蒙運動を含めた予防対策の充実がより重要となるでしょう。

なぜ血を採るの?

検査で何が判り、何を調べているのでしょうか。

診断をより確実にするため、またはその症状の進行具合の程度を見極めるために検査をします。

血液から得られる情報は数百以上ありますから患者さんの症状、主訴から必要最低限の検査項目を医者は、選択するのです。ここでは当医院で行う検査の項目で検査頻度の高いものものから取り上げていきたいと思います。

なぜ血を採るの?

CRP(C反応性蛋白<タンパク>)

私たちは、感染症にかかると自覚症状が出てきて初めて病気かもしれないと思いますが実は、すでに体の中では、異物[細菌・ウィルスなどに対し、炎症反応が起こっています。そのとき、速やかに肝臓でCRP(C-reactive protein)というタンパク質がつくられるのです。

そして、CRPは白血球の細菌貧食能を促進したり、生体防御反応、組織修復作用の役目を果たします。

急性炎症が起きるとCRPは、6~8時間で急速に増加し、42~72時間で最高値に達し炎症が治まると速やかに減少します。

CRPは、特定の疾患を診断するには役立ちませんが炎症の有無、程度が判りその病気の活動性や経過を知る手がかりとなるものです。

アレルギー検査について

体の中に異物〔抗原〕が入るとそれに対して体の中では抗体をつくります。再び抗原が入ってくると抗原抗体反応という異物を排除する働き〔免疫〕が起こります。本来、自分自身を異物から守るために起こる抗原抗体反応も時として過剰に働いてしまい身体に異常が起こります。それがアレルギーです。

一口にアレルギーといってもさまざまな症状があります。気管支喘息、アトピー性皮膚炎、鼻炎、花粉症、結膜炎、蕁麻疹などが代表的なものです。

アレルギー疾患は、まずアレルギーの原因(アレルゲン)を突き止め、それから遠ざかることが第一の予防となります。

そのアレルゲンを知る方法として少量の血液をもちいて調べるRISTRASTテストがあります。

RISTテストはアレルギー症状時に高値となるIgE(免疫グロブリンの一種)の総量がわかります。値が高ければ何かアレルゲンを持っていることがわかります。

RASTテストでは、そのアレルゲンが何かを突き止めるためにする検査です。

  • ダニ
  • ハウスダスト
  • 花粉
  • 動物(上皮)

  • 真菌
  • 牛乳
  • 大豆

  • そば
  • 果物

などが主だったアレルゲンです。